ピアニストが活躍する映画特集

盲目のピアニストが送る感動ストーリー

ピアニストを題材にした映画作品

音楽をテーマにした映画作品と言うと、何を連想するでしょうか。華やかな劇場で奏でられる色とりどりの音が垣間見れるハッピーエンド作品か、もしくは音楽を通じて自分自身の生き様を伝えられるような戦慄的な作品か。音楽、この一つのテーマを題材にするだけで多種多様なストーリーを生み出す。中でも『ピアノ』という楽器が主軸に関わる作品といえば数知れずだ。映画だけに限らず、総数を割り出すというのはほぼ不可能と言ってもいいだろう。

筆者個人として音楽、中でもピアノが物語の中心点に位置する作品で一番印象に残っているのは、『戦場のピアニスト』だ。ユダヤ系ポーランド人の主人公は世界大戦時においてピアニストとして平凡に暮らしていたが、戦争に巻き込まれて音楽はもちろん、家族までも失い絶望に追い込まれる。そんな彼を救ったのは軍の将校で、主人公が奏でる音楽の尊さから彼を密かに匿い、1人戦乱の時代を無事生き抜いてしまうという物語に、当時の世界が歓喜に打ち震えながら高らかに称賛の声を送ったものだ。

映画を題材にした作品が必ずしも名作と呼ばれるわけではありません、戦場のピアニストにしても主人公である『ユダヤ系ポーランド人のピアニスト』というものが物語の根幹にある。自分たちに非はない、けれど世界から孤立させられるように全てを奪われ、生きる意味すら剥奪されてしまう人がいる。それでも懸命に、音楽を愛して、ピアニストになろうとして躍起する姿に人間的で、泥臭さすら感じるような底意地は、何者よりも美しき魅せられるのではないでしょうか。

ピアニストを題材にした作品は、何も戦場のピアニストだけに始まったわけではありません。他にも知る人は知っている、名作と名高く評価されている作品は多い。今回はそんな作品をいくつか紹介していこう。まず最初に取り上げるのは、盲目というハンデを乗り越えて世界的に有名なピアニストになった一人の男性の話、『光にふれる』だ。

作品概要

光にふれるという映画作品は今から8年前、2008年に台湾で公開された作品だ。かなり前の映画になりますが、ピアニストをテーマにした名作映画としての名は戦場のピアニストと比較しても寸分たがわぬ感動ストーリーとなっています。内容については、天才ピアニストと呼ばれた1人の少年が全盲であることを理由にいわれようのない誹謗中傷を受けたことで、表舞台から去ってしまい、その後コンクールに出場して本格的なピアニストとして活動を開始するまでの話となっている。

この映画も戦場のピアニストと同じく実話を元にして作られており、しかも今作で主演を務めている『ホアン・ユィシアン』は本人役としても演技とピアノ演奏全てを担当しているのだ。映画になると、どうしてもピアニスト役の俳優が必ずしも実際にピアノを弾けるかとなったら難しい。そのためピアノ演奏はプロの演奏家が行い、それを演者があたかも弾いているよう見せる撮影技法が行われている。

それがこの作品にはないので、全て本人がピアノを実際に弾いているため、誰もがその凄さを実感できるはずだ。ではこの映画がどういう内容で物語を紡いでいくのか、あらすじを見ていこう。

物語のあらすじ

先天的に視覚障害を持ちながらも、ピアニストとして確固たる才能を持ち幼少期から天才ピアニストとしてもてはやされていたホアン・ユィシアン。コンクールでの受賞もあってこれからの進展を期待されていたが、盲目であるから賞を取ったといういわれようのない中傷を受けたことで、彼は表舞台から身を退いてしまうのだった。息子の才能はもちろん、これから自立していくためにも将来は音楽に関わる仕事につけるようにと、ホアンの両親は彼を音楽学校に通わせることを決意する。

息子を心配する母、そして1人で生活していけるようにと頑張ろうとするホアン、しかし周囲の人々はそんな彼に冷たくあたってきた。いつしか音楽を弾くことすら抵抗を見せ始めた中で、後にチンを始めとしたサークル仲間を作っていくことで、心を開いていく。また街中で出会ったシャオジエというプロダンサーを志しながらも、夢に踏み込めず立ち往生していた少女との出会いがホアンを、そしてシャオジエ本人をも変えていく。

やがて2人はそれぞれの道を歩もうと決意し、シャオジエは国際オーディションを、シャオジエはコンクールへと出場するのだった。

トラウマを乗り越えて

この作品では音楽を通して出会った男女が、お互いに抱えていたトラウマを共有・打破していくことになる。光を知らない、栄光という輝きから逃げるように暗闇の中で生き続けていた少年が大人になり、やがてかけがえのない仲間たちとの出会いによって、見えなくても確かに見えてくる光を手にしていく物語になっています。さすがは実話に基づいているだけの事はある、と納得出来る作風なのも良点だ。

作中のラストで、今まで遠ざかり続けていたピアニストとしてコンクールの大舞台に再び立つ主人公の姿と、圧巻の演奏は見る人すべての心を揺さぶります。さながら戦場のピアニストで主人公が軍の将校を目の前にして渾身の演奏を披露するように。

息子を支える母の存在

主人公を支えるヒロインと仲間たち、その存在も大事ですが、忘れてはならないのは幼少時から彼の幸せをただただ願い、息子がいつかまた音楽を糧に笑顔でいられる日々を取り戻せるよう、自立を促しながらも陰ながら支えている母親の姿もまた健気だ。息子の陥った境遇、そして体験を彼女もまた忘れること無く、目が見えないというハンデを抱えた状態で生きていけるのか。せめて音楽で仕事ができるよう、音楽学校への進学を促して自立への一歩を促すシーンでは親として心配しながらも、陰ながら支えていくのだった。

実際にトラウマを克服し、コンクールで見事な演奏をした際にはもう大丈夫と、そんな安心感を覚えたかもしれませんね。

見ておきたい作品

戦場のピアニストを見て感動のあまり号泣した、という人はこの光にふれるも一度見てもらいたい。前者の作品で泣けた、感動したという感想・意見をもったい人は今作も生涯を通してでも鑑賞しておこう。

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