ピアニストが活躍する映画特集

日本で有名なのは

辻井伸行さんの存在

盲目のピアニストとして活動している人は他にもいる、その1人にここ日本にもプロのピアニストとして活動している男性がいる。一時期メディアでも取り上げられ、天才ピアニストとすら呼ばれている『辻井伸行』さんだ。筆者が彼のことを知ったのは、とあるメディアの特集でその存在を知り、ハンデを追いながらも懸命に音楽家として名を馳せ、日本人として誇り高く生きている姿に素直な気持ちで賞賛を送ったものです。

音楽の業界に精通している、というほど情報を取得しているわけではない。ただ調べていく中でこの辻井さんが先に話したホアンさんと同じく、健常者との壁を乗り越えて音楽という一本で活動している軌跡は素晴らしいものだ。ピアニストとして活動をしていれば必ず売れるなんて保証はどこにもない。それこそクラシック、主軸はヨーロッパであって日本は全くと言っていいほど縁遠い国でもある。

そんな彼が活動を続けていく中で脚光を浴び始めたのは1999年のこと、日本最大のコンクールと言われる『PTNA』のピアノソロとしてD級に出場し、金賞を受賞したことから注目を集め始めるのだった。

13歳で単独リサイタル、14歳で交響楽団と協奏曲を果たす

辻井さんもやはり少年期から音楽に携わり、その才能をいかんなく発揮していきます。ホアンさんとの違いは、挫折すること無く前進し、先端の音楽に触れながら活動をしていた点だ。ホアンさんは誹謗中傷に耐え切れず表舞台を退いたが、辻井さんは自身の逆境を悲観すること無く音楽と真摯に向かい合い、演奏家としての一歩をわずか12歳から覚悟を持ちます。その活動が実を成したのは13歳だ、この年齢で既にソロでのリサイタルコンサートを開けるほどの人気を得ており、全国を股にかけて音楽家として確実に日本での地盤を固めていきます。

そして14歳の頃、東京交響楽団とのコンサートにおいて協奏曲を披露し、年端もいかない中学生でありながらプロのオーケストラに引けをとらない技術と表現力を披露したことで、大成功を収めた。これにより辻井さんの音楽家、ピアニストとしての道は確かなものとなり、日本人ピアニストとして国内で業界にその名を響かせるのだった。

世界的に有名なコンクールで

国内であれば音楽の仕事をしていく上で辻井さんも生計を建てるのは難しくありません。ですがそれも長続きすることはないため、ステップを踏まなくてはならない。自身の経験を高めるという名目も含めて、17歳の頃から国外の交響楽団とも協奏曲をするようになっていった。しかし交響楽団との演奏に成功しても、ピアニストとしての知名度は無実無名と言えるようなもの。

ピアニストとして本当の意味で大成するためには、何を差し引いてもコンクールに出場し、そこで賞を受賞しなければならなかった。実際、ピアニストとして活動している人、中でも世界をまたにしている人になればなるほど、毎年プロでも参加できるコンクールに出場しては知名度を向上させなくてはならないという。プロになってもプロ活動を続けていくためには、ファンを増やしていかなくてはならない、世知辛い話だ。

辻井さんも例外ではない、いくら日本で有名な賞を取ったからといえど国外ではないも等しい。知らないと言われるのが当たり前な世界で、彼が本格的に世界からオファーがかかるくらいまでの人気を得たのは2009年に出場した『ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール』で優勝した頃だ。

2009年以降から

辻井さんの名が日本の、クラシック音楽に詳しくない一般の人に知られるようになったのもこの大会で優勝したことがきっかけと言えます。なにせこの大会は世界的に有名なのはもちろんだが、日本人として同時優勝ではあるが、優勝という看板を獲得できたのは辻井さんただ一人だったのです。誰も成し得なかった結果を叩きだしたことで日本のマスメディアから再度注目をあびることとなり、日本で特集を組まれるまでになった。

この時21歳、幼少期から活動されて天才と言われながらも全国的な知名度を獲得するまで10年以上要したと考えると、ここまでの道のりが長かったのを実感させられます。

盲目というハンデ

辻井さんの姿が日本全国で報道され、盲目ながら世界に認められたピアニストというブランドを手に入れる。その後無事に音楽家としての地位を得ることになりますが、今でも彼のファンであるという人は最終的には古くから彼を知っている人くらいではないでしょうか。

報道された当時は物珍しさから彼をすごいと評する人も多かっただろう、目が見えないのに大変なんだなと、思ったことを呟くような人もいたかもしれません。ただ逆に、そんな彼でも心ない誹謗中傷を浴びせてくる人はどうしても出てきてしまうもの。障害者、なんて言葉を使うのは今では差別的だと蔑まれますが、平然と罵るために使用する人は多い。才能に恵まれ、ハンデを乗り越えた姿は本来あるべき形として生きる価値を見出す力を誇っています。

ですがそんな姿に共感を覚えられない、障害者というだけで社会の底辺のくせに生意気な、などと思ってしまう人も世の中にはいる。

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