ピアニストが活躍する映画特集

天才ピアニスト少年が活躍する作品

才能に恵まれた天才少年の苦悩が垣間見れる『シャイン』

光にふれるを通してホアンさんがピアニストとして歩み出した第一歩まで描かれているを見て感動したとしよう。彼の場合、世界は暗闇に閉ざされて世界の色をその目に見ることがない、健常者の中で懸命に生きていくしかなかった時に出会ったのが音楽だ。彼にとっても、そして辻井さんにしても、音楽があったからこそ生きる意味を見つけ、努力し、希望することも出来るようになる。息をするようにピアノの一音を鳴らし、歩くように鍵盤を叩く姿は彼らが生きているという躍動感に溢れ、人々の感動を引き寄せます。

彼らは一重に全盲だったかピアニストになったのではなく、音楽があったから自分という物を保てたといったほうが正しい。親が強制して音楽を習わせたではなく、あくまで自発的にだ。そうして生まれた物語だからこそ、彼らに対して同情ではなく純粋に1人の尊重されるべき人間としての誇りが見えてきます。

一方で世の中にはピアニストになることを宿命付けられた、音楽だけしか生きる道はないと刷り込まれてながらも、才能を如何なく発揮していた天才少年がいた。だが彼は後に精神異常をきたし、苦悩しながらもそれでも音楽を捨てられない事に気づいて歩いて行った。そんな彼を題材にした『シャイン』という作品も、公開当時の1996年に話題を集める。日本では翌年97年3月に公開されていますが、この作品の面白さは何処にあるのか。

一つはっきりと見えてくるのは、親の夢を子供に押し付けるべきではないというものだ。

シャインの概要

この映画は光にふれる同様、実在したピアニストを題材にしている。そのピアニストとは存命している『デイヴィッド・ヘルフゴット』の半生がモデルだ。事実彼の奏でる演奏は、幼少期から天才とまで呼ばれていたが、後に精神に異常をきたして統合失調感情障害という病を患ってしまう。精神病院に入退院を繰り返し、表舞台から遠ざかっていた彼がもう一度ピアノと向い合って演奏者として歩く姿は、ホアンさんとはまた違った生々しさで溢れている。

どんな内容なのか、ここでも先にあらすじから触れていこう。

映画のあらすじ

デイヴィッド・ヘルフゴットは幼少期、父親から将来ピアニストとなるべく英才教育を過度に施されていた。自分が叶えられなかった夢を息子に託すように、半ば虐待に近い状況まで追い込みながらもデイヴィッドは父の期待に応えるように活躍していく。やがては天才ピアノ少年とまで呼ばれるほどの実力を身に着けた後、イギリスの王立音楽院を始めとした著名な音楽学校への留学まで話が持ち上がった。

しかし父はそんな華々しい才能を披露する息子に嫉妬混じりに、留学の話など認めないといって息子の行動を今度は制限するようになる。その頃にはピアノを引くことこそ自分だと理解していたデイヴィッドは家を飛び出すようにして、師であるセシル・パーカーを頼って留学するのだった。

やがて留学先でコンクールへの出場が決まり、そこで難関と言われるラフマニノフを演奏しようとする。教授からは難しすぎると反対されたが、デイヴィッドは反対を押し切ってまで過酷な特訓を自分に課して、見事に弾いてみせたのだった。だがその成功の先に待っていたのは栄華ではなく、自我の崩壊寸前までの精神異常をきたしてしまう。

まともに演奏をすることすらできなくなってしまったデイヴィッドとは地元の精神病院で十数年という治療を余儀なくされてしまった。天才とまで呼ばれたピアニスト、もう二度と表に出ることはないと思われたデイヴィッドに、1つの可能性が舞い降りるのだった。

実力は本物

デイヴィッドが実際にピアノを弾き始めたのは6歳の頃からといわれている。年齢的に考えると、逆に遅いくらいではないのかと思うのは筆者だけか。それこそプロとして、音楽を習わせるとしたらそれ以前より前に触れさせるのが普通ではと、そう思ってしまいます。

時期に若干の差はありますが、それでもわずか数年足らずの練習と修練によって実力をプロから認められ、将来が期待される神童ともてはやされるまでになっているのがすごい話だ。英才教育の成果もありますが、元々芸術的感性に優れていたからとも言える。才能があったから、彼のために用意された言葉と言っても過言ではありません。

ラフマニノフの難しさ

精神の異常をきたす、ノイローゼだと明らかに分かるような異常行動を留学先の学校で起こしてしまうが、コンクールでラフマニノフを見事に演奏したと言われている。それもまた凄いことだと、ラフマニノフが作曲した楽曲はどれも難曲ばかりで、まだまだ技術に甘えがあったデイヴィッドでは無理だと講師は判断した。だがそれも自分自身を限界を超えた先まで追い詰めた結果、見事すぎる完成度を披露するに至っている。

この時もし精神異常をきたさなければまた違った未来があったのかもしれません。

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